「ショパンコンクール」はピアノメーカーにとっても戦いの場

ショパン国際ピアノコンクール

みなさんはショパン国際ピアノコンクールを御存知ですか。
マンガ「ピアノの森」の舞台にもなりましたね。
5年に1回、ショパンの故郷ポーランドのワルシャワで開催されるピアノコンクールです。
このコンクールは若手ピアニストの登竜門とされ、世界20か国の若い実力あるピアニストが競い合います。

コンクールの会場は百年の歴史を持つ「ワルシャワ・フィルハーモニー」です。
3週間をかけて3次予選まで行われます。
最後の本戦ファイナルではオーケストラとの競演による演奏で優勝者が決定されます。

歴代の出場者では、マルタ・アルゲリッチ(965年1位) 、中村紘子(1965年4位)、 スタニスラフ・ブーニン(1985年1位) など、著名なピアニストを輩出したことでも知られています。
ブーニンについての記事は▶こちら

ピアノメーカー4社の戦い

またこのコンテストではピアニストは採用されたピアノメーカーの4社のピアノを自由に選択できます。
より多くのピアニストに選ばれるためにコンテスト期間中、各メーカーの調律師たちは己の経験、技術のかぎりを尽くして調律を行い、ピアノに息吹をふきこみます。

優勝者がどこのメーカーのピアノを使用するかは調律師の最大の関心の的であり、ショパンコンクールはピアノメーカによる戦いの場、挑戦の場でもあるのです。
ショパンコンクールでは以下四つのピアノメーカーが採用されています。

  • ヤマハ(YAMAHA) …ピアノの売上金額で世界一、弾きやすさ豊かな音色が特徴です。
  • カワイ(Kawai) …ヨーロッパで人気、まろやかな重低音が特徴です。
  • ファツィオリ(Fazioli) …創業39年の新興メーカーです。昨今国際コンクールで優勝者を排出し大躍進するピアノメーカーです。明るくクリアな音が特徴です。
  • スタインウェイ&サンズ(Steinway & Sons) …創業160年のピアノメーカです。ピアノの王様とよばれ、力強く華やかな音が特徴です。

スタインウェイ&サンズ VS 日本のメーカー

ピアニストによりタッチ、音に対する好みは異なります。そのため、ピアニストは自分の求める音を表現してれるピアノを真剣に選びます。
ピアニストに特に人気があるピアノはピアノの王様スタインウェイです。
マルタ・アルゲリッチ、中村紘、スタニスラフ・ブーニンと多くの優勝者、入賞者に使用されてきた実績があります。
またスタインウェイはコンクール会場となるワルシャワ・フィルハーモニーの専属調律師が調律を担当することもあって、実際のオーケーストラの響きを熟知した仕上がりとなるため信頼性という点において一歩抜きん出ています。

しかし昨今のショパンコンクールでは日本のピアノメーカーが躍進しています。
近年特に躍進を見せているのがヤマハです。
1985年より参加するヤマハはヨーロッパでは後発メーカーですが、参加当時より30年にわたり西洋の壁に挑戦し続け近年、入賞者を輩出してその実力を世界にアピールしています。
2015年のショパンコンクールでは、10人のファイナリストのうち5人がヤマハのピアノを本戦で使用するという快挙を成し遂げました。
「見えない壁」と言われていたスタインウェイと他社との間にあった壁を、長い年月をかけてここまで崩してきました。
YAMAHAのピアノには癖がなく、表現者の個性を表すのに最適であると演奏者たちから評価されていて、今後の発展が期待されます。

ファツィオリ

もともとはピアニストであるパオロファツィ氏が理想のピアノを求めてファツィオリを創設しました。
イタリア北部の町小さな街サチーレにあるファツィオリは40人の職人により理想のピアノを生産しています。
素材には徹底的にこだわり、木材の一部はバイオリンの名機ストラディバリウスと同じ森からきりだされているそうです。
大量生産ではなく年間約120台のみ生産されています。
またファツィオリでは日本人の調律師 越智晃氏が活躍されています。
元はスタンウェイの出身だそうですが日本人としてはじめてショパンコンクールの調律をまかされる調律師です。


このように同じピアノでも、調律により弾きやすさや音色が異なるのはピアノの大きな魅力の一つですね。
今年2020年は5年に一度のショパン・コンクール開催年です。
10月2日金曜日から10月23日金曜日までの3週間開催される予定です。
コンテスタントの演奏はYouTubeでも同時配信されます。楽しみですね。
使われているピアノメーカーも意識しながら、より一層演奏を楽しんでみてはいかがでしょうか。

それでは次回はピアノの王様スタインウェイが、実際に都内で弾けるピアノスタジオをご紹介したいと思います。
どうぞお楽しみに。
 

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